アプリケーション層（実習の実演例）

アプリケーション層（実習の実演例）（BNS 補助資料）

Web （HTTP/http/80)

以下に実演例を１つ示す。
学内から学外のサーバに向けての通信を実演しているが、（前回述べたように）
- 以前は右図のように proxy による中継が行われており、
- proxyサーバ（ホスト名 proxy）のポート3128に対してTCP接続し、
- 要求する資源（GETの次の引数）として、URLそのものを渡す方法だった。
- 現在は proxyは停止状態なのでWebサーバに直接接続する方法。
GET行の後ろ（空行の前）に要求ヘッダーを付加することもできる（HTTP/1.0または1.1の場合）が、
ここでは省略した（ヘッダーなしでも通信は成立する）。
（HTTPメソッドのうち）GETメソッドについては、リクエストのBODY部は空ということになっている。
- ので、空行を送信するとリクエストがそれで終了とみなされ応答の送信が（ほぼ即座に）始まる（ことが、下のリストから見てとれる）。
HTTP応答行（ここでは正常な通信であることを示すステータスコード200を返している）の後ろに、十数行の応答ヘッダーが付加されていることも確認されたし。

> ezTerm.rb www.google.co.jp 80
GET /search?q=SMTP HTTP/1.0
                                                  <--- 空行を送っている
HTTP/1.0 200 OK                                       <--- ここから下がレスポンス
Date: Wed, 27 Jun 2020 02:32:47 GMT
Expires: -1
Cache-Control: private, max-age=0
Content-Type: text/html; charset=Shift_JIS
P3P: CP="This is not a P3P policy! See https://www.google.com/support/accounts/answer/151657?hl=en for more info."
Server: gws
X-XSS-Protection: 1; mode=block
X-Frame-Options: SAMEORIGIN
Set-Cookie: ............
Vary: Accept-Encoding
X-Cache: MISS from proxy.nagano.ac.jp
X-Cache-Lookup: MISS from proxy.nagano.ac.jp:3128
Via: 1.0 proxy.nagano.ac.jp (squid/3.1.23)
Connection: close
                                                    <--- レスポンス内の空行
<!doctype html><html itemscope="" itemtype="http://schema.org/SearchResultsPage" lang="ja"><head>  ......

Cookie部分（セキュリティ上の理由から）と、
応答本文（長いデータであり、ブラウザの「ソース表示」で見られるものと同じものなので）は省略してある。

メール

（昔の実演記録です）

メールは、概ね右図のような流れで送られていく
1. 送信者がメール送信サーバにSMTPを用いてメールの送達を依頼する。
2. その送信サーバから何段階かのサーバを介して（SMTPで）転送され、
3. 宛先アドレスを預かるメールボックスに留め置かれる（「スプールされる」と言う表現が使われる; 郵便局の私書箱のようなものと考えていい）。
4. 受信者が自分のタイミングでそのメールボックス（を預かるサーバ）に、POPやIMAPなどを用いて問合せをし、
  自分のPCにダウンロードしてメールを読む。
なお、これらの中継にかかわるサーバ群を、総称してMTAと呼び、
クライアント（メールソフト）は MUAと呼ばれている。
SMTPによるメール送信は、 （他のプロトコルでも同様） クライアントとサーバ間に、TCPによるセッション（双方向に同時にデータを流すことができる一本のパイプのようなもの）を張ることで行われる。
送信側、受信側のセッションは以下のような流れになる。
- いずれの実施例でも、こちらから送信したコマンド大文字４文字でほぼ統一されている）と、
- 応答（ステータスコードを含む）送信したものが（それぞれのプロトコルでの
実施例を以下に示す。

メール送信（SMTP/smtp/25）

SMTP （SMTPのコマンド一覧なども参照下さい）

> ezTerm.rb pevw smtp
220 pevw.nagano.ac.jp ESMTP Postfix
HELO nagano.ac.jp
250 pevw.nagano.ac.jp
MAIL from: nobu@nagano.ac.jp
250 2.1.0 Ok
RCPT to: hiraoka@nagano.ac.jp
250 2.1.5 Ok
DATA
354 End data with <CR><LF>.<CR><LF>
ahifuahwiefuha
ajfeajiefuhaief
.
250 2.0.0 Ok: queued as 08C672C003D
QUIT
221 2.0.0 Bye
>

メール受信（POP/pop3/110）

POP
（ネットにある解説記事たとえばここも参照）

C:\Users\NEC-PCuser\Documents\class\BNS>ezTerm.rb pemail pop3
+OK Dovecot ready.
USER hiraoka
+OK
PASS *******
+OK Logged in.
LIST
+OK 1068 visible messages (18261240 octets)
1 4528
2 5098
3 2854
4 3934
5 9117
6 7527
7 55183
8 18862

……

1066 10520
1067 81279
1068 326
.
retr 1068
+OK 326 octets
Return-Path: <nobu@nagano.ac.jp>
X-Original-To: hiraoka@nagano.ac.jp
Delivered-To: hiraoka@nagano.ac.jp
Received: from nagano.ac.jp (unknown [172.25.168.240])
        by pemail.nagano.ac.jp (Postfix) with SMTP id 08C672C003D
        for <hiraoka@nagano.ac.jp>; Wed, 27 Jun 2020 11:48:27 +0900 (JST)

ahifuahwiefuha
ajfeajiefuhaief
.
quit
+OK Logging out.
>

POPではパスワードは平文で送られる。（実演では画面に見えてしまうので隠しています。上の記録では **** で隠した。）
RETRで、個々のメッセージを表示（=ダウンロード）できる。
- さっきSMTPで送ったメールもここにスプールされていることがわかる。