情報学概論Ⅰ 第4回

企業情報学部

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情報学概論1  第4回(5/15)

(Introduction to Informatics 1)
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遠隔の時代に向けて

  • 当科目では複数のメディアを並行して使っています。
  • 音声と画像を中心としたコミュニケーション(Meet)と、文字ベースのコミュニケーション(Hangout に加えて、この資料のページも主に文字)の2系列です。
    • メディアという用語も2通りに使われていますね。
  • ハングアウトが重要な役割を果たしています(使い方は LINEと ほぼ同じですね)。
コミュニケーションの形
  • 授業時間が終わっても会話記録は残ります
  • 質問、感想、などフィードバックに使うのが目的です(が、羽目をはずさない範囲で雑談もしてOK)
  • コミュニケーションのあり方を変えてみようという(板書図)試みでもあります。

1 bit数と空間のサイズ

5桁の2進数

bit 数 = 2進数での桁数 = 表現できる数値の範囲 = 空間の広さ

  • 片手(5本の指)で、0から31まで(32個の数)が数えられる(実演)。
    • つまり 25 = 32
    • 右図のような(ここでは5桁の)2進数(の、0から始まる最初の5つだけ示した)
  • 両手(10本の指)だと 210 = 1024 であるから、0から1023までの数が数えられることになる(多くの人は小指と薬指が連動して動いてしまうため実際にはこの数え方は実用的ではなく、理論上の思考実験だと考えて下さい)。
210-1

2n の値(概算)

  • (任意の自然数 n について)2n の値(2のべき乗と呼ぶ)の見当がつけられるようにしておくと、情報学を考える際には便利なことが多い。

    • 1,2,4,8,16,32,65,128,256,512,… と、順々に倍々の値を唱えていく、というアプローチも原理的にはある(が、あまりに桁数が大きくなって実用的ではない)。
  • たまたま、210 = 1024 ≒ 1000 = 103 であるという、この近似的な関係を利用する、というのが、情報技術の世界で普通に行われている(微妙な差には目をつぶってごまかす、ということでもあるが、概算の見当だけが必要な場面では問題はないとされている)。
  • 210 ≒ 1000 (1 キロ)、220 ≒ 106 = 100万(1 メガ)、230 ≒ 109 = 10億(1 ギガ)が簡単に思い出せるようにしておくといい(それより上の単位接頭辞は各自調べて下さい)。

接頭辞 230

  • 32 bit で表現できる数値の範囲は、232 = 230 × 22 つまり、10億の4倍、約40億であることがわかる。4ギガとも呼ばれる。
  • なお、この誤差をごまかした部分について、 メビバイト (MB ではなく)MiB などのように表記するやり方も使われている。
メビバイト

空間の広さのインパクト

  • 32bitの空間の広さ(約40億)が情報技術に与えている影響を2つ紹介しておく。
    1. インターネットのIPアドレスと、世界中のコンピュータの数
      • 当初(インターネットの草創期)は想像すらしていなかった事だが、 世界中のコンピュータ類の数が、 232 ≒ 40億台(IPアドレスの、アドレス空間の大きさ)を越えようとしている
    IPアドレス
  1. PCのアドレス空間とメモリーサイズ(容量)
    • 32bitCPU(あるいは32bitOS)では、4GB(正確には 4GiBか;32bitのアドレス空間のサイズ)を超えるメモリにアドレスを付与することができない。つまりそれ以上のメモリは搭載されてもアクセスできない。
    • 実際には32bitのWindowsではしくみ上の制約により3GBが上限になっている。

2 コンピュータが扱うデータ

Case-insensitive
  • 長い間、コンピュータは文字情報しか使えなかった。
    • その文字について、初期のコンピュータでは(概ね、1970年頃にUnixが現れるまで) 大文字しか使えない状態であった。

    • その名残は例えばWindowsの中にも、Case-insensitive な文字体系として散見できる (たとえばファイル名では大文字と小文字が区別されていないなど)。 範囲の拡大 ***

    • 英数字(英語の文字と数字)にいくつかの記号文字(タイプライターの文字集合とほぼ同じ)だけが使える時代もまた長かった(今もプログラミングなどではこの文字集合に制限されることが多い)が、

    • その後、日本語をはじめとした各国の文字も使えるようになり、さらに、

    • マルチメディア化(様々な種類のメディア情報も使える)が進み今に至っている(上図)。

3 CDについて知る

(デジタルデータの一例として)

サンプリングの原理

A/D
  • 音はこうしてデジタルになる

デジタルとアナログを(あらためて)考える

データ量の数え方

前々回の宿題の確認
  • 前々回の課題だった、「SDカードにCDが何枚入るか」について、
    • データ圧縮なしを前提にすると右図のように概算できます。
    • データ圧縮については、音源によって圧縮率が異なるため 正確な予測は困難です。

データ量 の正確な計算 と概算

  • CDという技術は、データ圧縮をしない技術。 CDのデータ量計算
    • 当時はコンピュータ技術はまだ成熟しておらずリアルタイムで処理するのが困難だった。
  • なのでサンプリング時のデータ密度(周波数と1chあたりの量子化ビット数)と想定される録音時間から全体のデータ量は簡単に計算できます(右図)。
  • 各自で計算を試みてください。

4 PCの基本操作 TIPS編

表示の大きさ

拡大縮小
  • 多くのアプリケーション(ブラウザ エディタ等)で、Ctrlキーと、+- の同時押しで、 表示する文字サイズの拡大縮小ができる。
    • ただし一部のアプリケーションでは、 テンキー上にある +- を前提にしているものもあり、ノートPCで使えないこともある。
    • この操作を知っていればWindows以外のPCでも応用できることが多い(Macintoshでは Ctrl でなく Command キーだが、理屈は同じ)。
    • タッチパッドでピンチ操作(スマホやタブレットと同じ操作)で拡大縮小ができる機種もあり、もちろんそれを活用しても構わない(が、キー操作も知っていると適用範囲は広いだろう)。
  • (個別のアプリケーションではなく)Windowsの機能として「拡大鏡」もある(基本的なキー操作は右図参照)。

データを守る

データを守る

  • 授業で使うPCを急遽変更(以前使ってたOS違いのPCを2台起こしてきた)するにあたり、
    1. 必要なソフトウェアのインストールは、パッケージマネージャを使うことに慣れていれば 大きな作業量にならずにすませられた。
    2. 重要なデータの消失で作業が滞ることは殆どなかった。   これは「ドキュメント」に相当する主要なフォルダをクラウドサービスによるストレージに保存していたから。
      • データが消失しない(自動的にバックアップされる)
      • 移行が楽(他のPCからでも以前と同様の場所に配置された形になっている)
  • こういう報告を、自分に関係ある話として聞いていただき、 不足の事態に備えた環境整備をしてPCを使うようにしましょう。

5 PCの基本操作 しくみ編

ブラウザ

カテゴリーとアプリ固有名

(第一回にも少し触れたが)

  • Webブラウザ(略して「ブラウザ」)と総称されるアプリケーションとして(図)、

    Google Chrome, Firefox, Internet Explorer, Edge など(これらはそれぞれ固有名、商品名など)がある。

  • 一般に「ファイルマネージャ」と総称されるアプリケーション、の1つとして、 Windowsに標準添付されているものが「エクスプローラ」。

  • 同様に、アプリケーション総称名で呼ばれたり固有名で呼ばれたりするので混同しないように。

表示名と本名(ファイル名・フォルダ名)

  • 「エクスプローラ」(ファイルマネージャの一種)を開く
  • いろんな場所を表示してみる
  • フォルダ名に日本語文字を含む場所で、
    • 「アドレスバー」を選択してみる
      • Ctrl-L、Alt-D が便利

(以下は次回以降に扱います)

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宿題

アナログとデジタルの違い

アナログとデジタルの違いについて調査し、10行程度の文章にまとめる。参考にした文献やサイト(のURL)も記入すること。時計、テレビ、電話など身近な道具を例にとって(なるべく自分の言葉で)論じるといいだろう。

(CDのデータ量計算の結果と過程も、あわせてご報告下さい)。