Ver.2005-11

JOIN


Joint Project of IBM and Nagano University

障害のある学生のための授業支援プロジェクト

2005年度

日本アイビーエムとの共同プロジェクトは2006年3月末で終了しましたが、 長野大学独自の授業支援プロジェクトとして2006年4月以降も継続します。

プロジェクトの概要

 本プロジェクトでは、音声認識技術を利用し授業における教員の音声を文字情報に変換(視覚化)し、 いわゆる字幕データとして聴覚障害学生へ提示します。しかし、日本語音声認識技術では同音異義語などの誤変換が多く発生するため、 音声認識技術で変換した(そのままの)文字情報では正しい情報提供とは言えません。 さらに、授業という環境では非定常の雑音(テキストをめくる音や、学生同士の私語など)という問題があり、 音響的にも問題を抱えています。
 そのため、日本IBM東京基礎研究所 アクセシビリティ・センターが開発した字幕編集システムを利用して、 授業後にその音声(機械的に文字化された情報)を人手によって適切な文字情報に修正する編集処理を施します。 編集(修正)作業の後、文字情報(字幕)は授業中に教員が表示したパワーポイント(スライド)と同期され、 時系列データとして保存されます。 そして、配布資料(PDFファイル)や講義風景などの映像情報(適宜利用可能)などと共に復習用eラーニング・コンテンツとして、 学内サーバーから学生に向けて配信することができます。
 その結果、聴覚に障害のある学生のみならず、筆記が困難な肢体不自由や視覚に障害のある学生、授業を欠席した学生に対する、 授業を(自習や復習用教材として)支援するコンテンツとなります。 この点が、既存の情報保障技術である要約筆記(ノートテイク)と大きく異なります。 しかしながら、本プロジェクトでは本システムを要約筆記に置き換えるものとしてではなく、それぞれの長所短所を明確にして、 それぞれが共存し、利用者(学生)個々の選択肢として提供する必要があると考えています。
 まず、社会福祉学部の「児童福祉論」(全26回)において実施し、今後状況をみながら実施対象科目を増やし、 2006年3月末までの1年間にわたり日本IBMと共同でプロジェクトを推進してゆきます。

“高等教育における聴覚障害学生の授業支援”(PDF)(第20回リハ工学カンファレンスにて講演)

字幕コンテンツのできるまで(図)
字幕コンテンツ作成のシステム構成



  • 2005年度「児童福祉論」字幕付授業コンテンツ(担当教員:石原剛志助教授)(学内専用)

  • 上記データのデモ版SMILファイル(要:RealPlayer)

  • JOINプロジェクト関連リンクおよび資料など
    プロジェクトメンバー