"Assistive Technology"
2006年7月5日 福祉用具の知識
- 脳血管障害後遺症【復習】
- 住宅改修【復習】
- 移動への対応
- 排泄(トイレ)への対応
- 入浴(浴室)への対応
- 脊髄損傷(脊損)
- 脊髄損傷とは
- 脊髄は、脊椎(せきつい)の骨折、脱臼との合併により損傷されることが多いが、単なる脊髄の過屈曲、過伸展によっても損傷する。
- 脊柱に強い外力が加えられることにより脊椎を損壊するなどし、脊髄に損傷をうける病態。
- 脊髄を含む中枢神経系は末梢神経と異なり、一度損傷すると修復・再生されることは無い。決定的治療法は未だ存在しない。
- 一般的症状
- 「完全(型)」は脊髄が横断的に離断し、神経伝達機能が完全に絶たれた状態
- 「不(完)全(型)」は脊髄の一部が損傷、圧迫などを受け、一部機能が残存した状態
- 完全麻痺
- 損傷部位以下は上位中枢からの支配を失い、運動機能が失われる。また、上位中枢へ感覚情報を送ることもできなくなるため、感覚知覚機能も失われる。
- 「動かない、感じない」という状態に陥る。慢性期では、動かせないはずの筋肉が痙攣(けいれん)を起こす。これを痙性(けいせい)と呼ぶ。
- 感覚、運動以外の障害
- 自律神経系
- 代謝が不活発となり、外傷などは治りにくい。
- 汗をかく、鳥肌を立てる、血管を収縮/拡張させるといった自律神経系の調節も機能しなくなる為、体温調節が困難となる。
- 脊髄節による違い
- 脊柱と脊髄節
- 頚椎:C1〜8
- 胸椎:T1〜12
- 腰椎:L1〜5
- 仙椎:S1〜5
- 尾椎:1
- 損傷箇所が上に行くほど、障害レベルは重度化する。
- 受傷原因
- 10万人以上の脊損者(毎年5000人以上)
- 1990 - 1992年調査
- 交通事故(43.7%)
- 高所からの落下(28.9%)
- 転倒(12.9%)
- 打撲・下敷き(5.5%)
- スポーツ(5.4%)
- その他(3.6%)
- 近年の動向
- スノーボードなどがあらたな受傷原因
- 事故の防止、万一事故にあった際の身体の保護が不可欠
- 交通事故では、オートバイ乗車中の発生率が高い
- 脊損のリハビリテーション
- 早期のリハビリテーションが望ましい
- 患者が直面する「障害受容」への対応が必要
- 自分は現実に脊髄損傷となり、この体と共にこれから生きて行くという事実を受け入れること
- 「失われた機能」を回復させることではない
- 「残された機能」を活用し、ADLや生活の自立を図ること
- 脊髄損傷の合併症
- 褥瘡(=褥創、じょくそう)
- 尿路感染症(にょうろかんせんしょう)
ミニレポート
- Q1:本日の授業において、もっとも印象に残っている内容と、その要点を記述しなさい。
- Q2:福祉用具に関する知識を、生活者としての具体的な障害者(脳血管障害、脊損)に対する支援に結びつけるためには、どのような「学び」が必要だと考えるか?具体的に記述しなさい。
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