"Assistive Technology"
2006年7月12日 福祉用具の知識
- 脊髄損傷【復習】
- 脊髄損傷による対麻痺と四肢麻痺
- 完全型(完全麻痺)と不完全型(不全麻痺)
- 脊髄節による障害(身体機能)の違い
- 脊髄損傷のリハビリテーション
- 脊髄損傷の合併症(褥瘡、尿路感染症)
- 頚髄損傷(頚損)
- 頚髄損傷による四肢麻痺
- 頸椎の骨折、脱臼との合併により損傷されることが多いが、単なる頚部脊髄の過屈曲、過伸展によっても損傷される。四肢麻痺、呼吸障害が起こることが多い。
- 主な原因としては、高所からの転落、プールへの飛び込み、自動車事故など、大きな外力が頚部などに加えられることにより頸椎、もしくは頸椎軟部組織を損壊し、頚部脊髄に損傷をうける病態。
- 脊髄を含む中枢神経系は末梢神経と異なり、一度損傷すると修復・再生されることは無い。現代の医学でも、これを回復させる決定的治療法は未だ存在しない。
- 雪下岳彦さんのホームページから
- ケイソンって?というとちょっと長くなります。簡単に言えば、頸椎=首の骨 の損傷=脱臼や骨折と言うことになりますね。骨折ならくっつくんだから、大したことないのでは?という気もしますが、そうはいかないのが頸損なんです。背骨の間には脊髄という大事な神経(中枢神経)が通っていて、脳からの指令を手足に伝えたり、逆に手足で感じたことを脳に伝える(もちろん他にも働きはありますが)という重大な役割を担っています。そのため、堅い背骨に守られています。特に首の部分の脊髄を頚髄といいますが、頸椎を損傷すると多くの場合、その中を通る頚髄に傷を付けてしまうんです。そのため、骨がくっついても、その後にいろいろな不自由が残ってしまうのです。脊髄は治らないの?という気もしますが、中枢神経と呼ばれる脳や脊髄は再生しないと言われています。(最近の研究によるとしないわけではないのですが、私の大学時代は「再生しない」と教わりました)
- 損傷部位や程度にもよりますが、通常は胸から下は動かすことが出来ません。そういうわけで、車いすを使った生活になります。頚髄の上(より頭に近い方)の方を損傷すると、手も不自由なため、電動車いすを使用する場合が多いです。最近は「五体不満足」の著者である乙武さんが電動車いすに乗ってテレビなどに出演されてるので、少しはポピュラーになりましたね。
また、頚髄の上の方を損傷すると呼吸に影響が出てくる場合があり、人工呼吸器が必要になる場合もあります。私も受傷3日後から半年ほど、人工呼吸器のお世話になってました。
もう一つ、頚損で問題になるのが痙性(けいせい)と呼ばれるものです。麻痺している部分が勝手に動いたり、つっぱったり、痙攣したようになります。これがあると、麻痺した部分の筋肉が萎縮しないですむんですが、あまり強いと姿勢を崩したり、関節の変形・拘縮の原因になったりしてしまいます。そのため、強さに応じて筋弛緩剤などを服用します。
- 麻痺してる部位では知覚も麻痺しています。つまり、温痛覚・冷覚・圧覚・触覚を感じることが出来ません。このため、知らぬ間に怪我ややけどをしてしまうため、注意が必要です。また、頚損にとっての一番の大敵が褥瘡(じょくそう)です。褥瘡と言うより床ずれと言った方がなじみがあるでしょうか。つまり、身体の同じ部位が長時間圧迫されたことにより血行不良を起こし、皮膚や肉が壊死してしまいます。普通、長時間座ってるとお尻が痛くなってきて無意識にお尻を動かしたりしますよね。それに比べ、ケイソンは自分で姿勢を変えられず、また痛みも感じることが出来ないので褥瘡を作りやすいのです。この褥瘡から感染症を起こすと致命的になる場合もあるので、日頃からの注意が必要になります。
- 「動かない、感じない」という状態に陥る。慢性期では、動かせないはずの筋肉が痙攣(けいれん)を起こす。これを痙性(けいせい)と呼ぶ。
ミニレポート
- Q1: 本日の授業において、もっとも印象に残っている内容と、その要点を記述しなさい。
- Q2: ソーシャルワーカーとして、四肢麻痺者の生活を支援するためにまず必要となる情報とは何であるか?本日の授業内容を基に具体的に記述しなさい。
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