コマンドプロンプトに関連して

1. 起動方法

[基本]

スタートメニュー/すべてのプログラムから辿って下さい。
おそらくアクセサリのどこかだと思います。
すでに何度も起動している人はスタートメニューの上の方に（履歴として）出ているかもしれません。
スタートメニューのないWindows8などの人はこの方法は使えないかも知れません。

[中級]

スタートメニューをクリックする代わりに、 Windowsロゴキー（Windowsボタン等の呼び方もあるようです）を打鍵し、
そのまま（つまり検索フィールドに、日本語で）コマンドと入れてみて下さい。
前述と同じアイコンが現れる筈なので、それを選んで ENTER

[上級]

Windwos+R（前述のWindowsロゴキーを押しながら Rを押す）「ファイル名を指定して実行」のダイアログが出る
cmd の３文字を入力し、ENTER
（ちなみに cmd.exe がコマンドプロンプトのプログラムの本名です）

[注]

起動直後のカレントフォルダ（カレントディレクトリ）は　c:\Users\ユーザ名になっている筈ですが、
これから使いたいファイルはおそらく別のフォルダに置いてあるので、
CD コマンドを駆使して、そこまで移動（カレントフォルダの変更）　をする必要があります。
それが面倒な人は応用１，２（このあと）を参照。

[発展] 管理者権限

Windowsの管理にかかわるアプリ等の多くは、必要に応じて権限上昇（英語で elevateと呼ぶ）するダイアログボックスを出します。
CUIで使う機能は、事前に権限上昇しておく必要があることが多いため、
- コマンドプロンプトを管理者権限で開いて、
- そこからコマンドを実行する
ということが要求されることああります。
これまでに（またはこれから）説明した起動方法の、最後の１操作（エンターまたはクリック）の代わりに、以下のことをしてみて下さい。
1. 右クリック：コンテキストメニューが出て、操作が選択できる。
2. Ctrl+Shift+Enter：この操作は一般的に管理者権限での実行に切り替える。

[応用1]

エクスプローラで目的のフォルダまで移動して下さい。
（ちなみに、Windows+E で起動できます）
アドレスバーにカーソルを置いてアドレスバーの内容全体を選択して反転させて下さい（Alt+D を押すだけでOKです）。
そこに cmd と入れて Enter、これで目的の場所に移動した状態のコマンドプロンプトが起動します。

応用2の図

[応用2] （この方法が一番手軽かも知れないので注目）

ただし Windows8頃のPCで使える方法 で、それ以降（10,11）では逆に使えなくなってるかもしれません。
- エクスプローラで目的のフォルダまで移動して下さい。
  （ちなみに、Windows+E で起動できます）
- ALT, F, P
  このキー操作でコマンドプロンプトが起動する筈
  （右図のようなメニューが出ます）。
- このようなメニューが出ないシステムでは上の[応用1]を使って下さい。

[補足]

なお、「エクスプローラ」と「インターネットエクスプローラ（略称IE)」は、別のプログラムです。
前者は「コンピュータ」「ドキュメント」などのリンクと表裏一体になった、コンピュータ内の情報資源を管理するソフトです　（一般にはファイルマネージャと呼ばれる類のもの）。
後者はWebブラウザです。

学内から使う際の注意（proxyについて)

本節は、現在は（これから使う人は）考慮不要です。
- すでに（昨年までに）何かの形でproxyの設定をした人は、このページを参考に解除しておいて下さい。
- proxyon した状態の人は、proxyoff しておいて下さい。
コマンドプロンプトから使うネット系のツールで（学内で使う時は） proxy設定を必要とするものがあり、設定コマンドを必要とする場合がある
それを少し楽にする方法：　この batファイルを
- ダウンロードし、
- エディタで編集（必要な箇所を残して不要な部分は先頭に : を入れる）し、保存
- PATHの通ってる場所（後述）のいずれかに置く
「proxy on」「proxy off」でオンオフができます

2. 動作原理の理解

環境変数 PATHについて）

プロンプト（の右端の文字は >）の右に、コマンド名を入力し（或いはさらにその右に、スペース１つのあと、オプションやパラメータも入力し）、Enterを打鍵すると、コマンドが動作します。
それらのコマンドは、一部の例外（組込みコマンド）を除いて、PCのファイルシステム内のどこかに置かれた、実行形式のファイル（コマンド名と同じファイル名の）を呼び出すことで実行されます。
- コマンドが実行されると、多くの場合、その結果（或いは場合によってはエラーメッセージ）が
  （コマンドプロンプト窓の）その下の行に印字されたあと、再びプロンプトが表示され、次のコマンド入力を待つ状態でスタンバイされます。
- ただしコマンドによっては、別に窓が開いてGUIアプリケーションが起動されたり、あるいは特に目立った動作もなく終了して次の待ち状態になることもあります。
その実行ファイルを見つけ出すにあたって、PC内をくまなく検索するのは非効率なので、あらかじめ幾つかの決まった置き場所（フォルダ）に限定することにしてあります。
その置き場所であるフォルダ（の、パス名）を列挙した値（Windowsではセミコロンで区切って並べた１つのけっこう長い文字列）が、PATH という名前の「環境変数」として設定され記憶されています。
- 以下を入力して確認してみて下さい。
```
  echo %PATH%
  :: または、単に
  PATH				:: 小文字でも可
```
- 長い文字列が出力される筈です。その構成要素それぞれがパス名です。
- それらのパス（で表されるフォルダ）を、前から順に検索して、いま入力されたコマンド名に該当する実行ファイルを見つけ出し、そのファイルがプログラムとして（コマンドとして）実行される、というのがコマンドプロンプトの基本的な動作です。
PATHの通ってる場所を見つける方法：コマンドプロンプトで以下のようなwhereコマンド（の第一引数としてコマンド名）を試してみてください。
```
  where ruby
  where notepad
  :: など
```
- ２か所以上に同名のコマンド（として実行できるファイル）が置かれていることもあります。
- notepad コマンドを実行してみると（皆さんの多くのPCで）「メモ帳」が開かれることが確認できるでしょう。「メモ帳」の本名（実行形式のファイル名）がnotepad だということです。
環境変数の値はユーザが自由に変更できます
- （ただし下手な変更をするとその後の動作に影響を与えるので、上記のメカニズムを理解した上で試みて下さい）。
- たとえば新しいプログラムをインストールした時にその実行ファイルが置かれた場所も PATH変数に追加で登録しておきたい時などにその作業が必要になります。
  - インストーラがその作業を自動で行ってくれるというケースも多いようです。
- 変更の方法はここでは省略しますが、
- 必要または興味があれば「windows 環境変数」で検索してみて下さい。
  - Windows10ではPATH変数に含まれるパス名を個別に編集できるので苦労は少ないと思います。
  - ただし、「システム環境変数」「ユーザ環境変数」に分けて設定されていることに留意してください。
  - パス名をどちらに追加しても動作はしますが、特に事情や目的がなければ（手作業で追加する際は）ユーザ環境変数を扱うことにしておいた方が無難です。
  - Windows8以前の版ではこのPATHの編集は使いずらいインタフェースになっています。
    - テキストエディタにコピペして編集し、それを「システムのプロパティ→環境変数」窓の該当欄に書き戻すなど、自分で方法を工夫する、か、
    - Rapid Environment Editorのような補助的なアプリケーション（これもChocolatey（パッケージ名はRapidEE）や Scoop（パッケージ名 rapideeが ‘extras’ bucketにある）でインストールできます）を導入して使う。
    - といった対処が必要になるでしょう。

[補足] 関連の深い２つの環境変数

PATHEXT

- ファイル名を呼び出すとコマンドとして実行できるファイル（の拡張子）としては、
- .exe, .com （ネイティブコンパイルされたプログラム）
- .bat, .cmd （Windowsのコマンドとして解釈されるスクリプト）
- .rb （後からインストールしたスクリプト言語など）などがある。これらは拡張子なしで呼び出して大丈夫です。
環境変数PATHEXT に、上記の扱いができる拡張子が列挙されています。
- 以下を入力して確認してみて下さい。
  echo %PATHEXT%
- なお、コマンド入力
- 時（やバッチファイルの中）で、パーセント (%) で囲んだ文字列があればその部分が該当する変数（環境変数）の値に置き換えられます。
- コマンドが入力されたときに、その名前（にこれらの拡張子をつけたファイル）を持つ実行ファイルを見つけ出すために、環境変数PATHに列挙されたフォルダを順々に探します。
PROMPT という環境変数もあります。
```
  set PROMPT=---$P---$G
  set PROMPT=ご主人様命令をどうぞ$G
```
- 上記例で使っている $G $P のような記号の意味については、たとえばここを参照。

なお、PATH と PROMPT の２つは、set を使わずに、以下のような呼び方でも変更できる特殊な変数です。

  PROMPT $P$G-$G		:: 変更
  path .				:: この変更を行うとその後の動作は不安定になるが、
                      :: そしたら当該コマンドプロンプト窓を無理やり閉じて対処して下さい

以下のコマンドは組込みコマンド（の、一部）です。（全体像については例えばここを参照）。
path prompt set echo dir cd exit …
```
  where set		:: など where で実行形式の場所確かめる
```
の結果を見れば確認できるでしょう。